山崎賢人主演で話題になった漫画原作の映画『キングダム』。
上映期間にうっかり見逃して、ようやく配信で見ることができました。
主人公・信(山崎賢人)は同じ奴隷仲間で親友の漂(吉沢亮)とともに、剣術の練習をし、いずれは奴隷という立場から抜け出し、大将軍になるという夢を抱いていた。
ある日突然、漂だけ王宮へ引き抜かれたが、ほどなくして、血だらけで信のいる納屋に帰ってきたかと思ったら、「ここへ行け」という地図を残して亡くなってしまう。
そして、漂の言う通り、信が地図の場所へ向かうと、漂そっくりの秦国の王・嬴政(えいせい・吉沢亮)がいて……。
というのも、自らが王になろうとしている嬴政の義弟・成蟜(せいきょう・本郷奏多)にクーデターを仕掛けられ、そのせいで、嬴政の影武者として漂は討たれ、嬴政本人は命からがら逃げてきたから。
大親友の漂が嬴政のせいで死んだことに怒りを感じたが、嬴政から漂は喜んで影武者を引き受けたこと、そして、嬴政の一見冷徹そうに見えるけど、その心の奥底にある熱さのようなものを感じ取った信は、成蟜のクーデターを鎮圧し、再び王の座に戻ろうとする嬴政に付いていくことにするが……。
自分の身分から脱しようと夢を見て、同じ夢を持つ漂が王宮に入ったことを励みに生きてきたのに、彼は死に、そのショックと奴隷から脱する夢がついえたと思えた信。
でも嬴政との出会いから、日々の剣術の成果も相まって、強い敵ともほぼ互角に戦うことができ、嬴政の右腕的な存在へ成長していく。
……というのが、この映画の本来の見せたいことなんだと思うんだけど、吉沢亮が見た目も役者としても好きという贔屓目を除いても、漂と嬴政のひとり2役を演じた吉沢亮が主役に見えてしまった!
将来の大将軍を夢見て、真っ直ぐに信と剣術の練習をしているピュアな漂。
常に冷静で、情に厚い面もあるけど、もっと大きな野望を抱いて、貪欲で勝ち気な嬴政。
顔は同じでも、全然違うキャラクターを見事に演じきっているのよ!
若き王なのに、年上の大臣とか武将を束ねる統率力!
常に策を練っているクレバーさ。
みんながたじろぐ大将軍・王騎(大沢たかお)にも物怖じしない肝が据わった態度。
そして、常に持っている気高さ。
こういった嬴政のキャラクターの空気感をにじみだすのがものすごくうまくて、存在感もあって。
もう、吉沢亮、主役でしょ? 主役でいいんじゃない?
と、原作を読んでいない私は思ってしまった。
(原作で信ファン、山崎賢人ファンの人、ごめん!)
ちなみに、今回のストーリーはものすごくざっくり言うと「王の兄弟喧嘩」と言ったところ。
原作ではもっと続きがあるみたいだし、王騎は敵か味方かわからない曖昧なキャラクターとして登場したものだから、これ続編あるんじゃないかと。
でも、今回で結構豪華なキャストだったから、再びこの人たちが集結して、作れるのかしら? と思うと、やっぱり難しいかな。