楽しみにしていた『シリーズ横溝正史短編集』の新作。「華やかな野獣」。
今回も通常通り、原作に忠実に再現。
ストーリーは、乱交パーティを開いていた女主人が何者かに殺されてしまう。
そのパーティにたまたま金田一耕助(池松壮亮)が潜入していたため、その謎を解いていくことになるのだが……。
誰が犯人か推理するのも楽しいものだと思うんだけど、今回は演出ばかりに目がいってしまって、正直推理なんてどうでもよくて、ディテールの部分がものすごく気に入った作品だった。
オープニングやエンディングには山口百恵の「ひと夏の経験」が流れ、劇中には平田隆夫とセルスターズの「悪魔がにくい」(だったと思う)とか、風見しんごの「涙のtake a chance」が流れ、「涙の―」のほうは池松くんが踊るという粋な演出も!
そして、乱交パーティという設定だったからか、男性役も女性が演じているのよね。
男性、女性を象徴するフォルムも風船で表現していたのもおもしろかったし。
おかげで、乱交の生々しさが半減しているのがよかった。
演じている女性陣の中には、アンミカさん(警察医役!)とか、小林きな子さん(おじさん役!)とか、冨手麻妙さん(相変わらずセクシーな役!)、我妻マリさん(普段はモデルさん。今回は警部補役!)とかがいて、その人選も抜群。
人選も抜群と言えば、主要キャストの中に門脇麦ちゃんが。
そもそもこの話が乱交パーティという設定で、しかも、池松くんが出ているから、否が応でもあの映画がよぎったんだけど、それに門脇麦ちゃんが出たら、もうそりゃ、『愛の渦』しか思い出せないでしょうよ!
絶対に、池松くん→乱交パーティ→愛の渦→なら、あの役は門脇麦ちゃんしかいないでしょ!
という考えあってのキャスティングだと思うんだけど、その思惑すらもたまらなくツボでした。
あとは、あえてのリピート。
同じセリフをリピートさせているのだけど、DJのスクラッチ風にアレンジしているところもおもしろかったなー。
「ここは何の曲使っているの?」「ここはどんな映像になっていたの?」とか一度見ただけじゃ見落としたところがあったから、思わず見返しました。
二度見した作品は久々。
次回は「犬神家の一族」。
メジャーな作品なだけにどんなアレンジになっているのか?