主人公・心(竹内涼真)と同じように、父である佐野(鈴木亮平)が「やっぱり犯人なんじゃないか…」と疑心暗鬼になって、奥歯をぎゅーっと噛み締めてたから、歯が痛い。
そんなドラマだった『テセウスの船』。
作り方がうまくて、最初から殺人犯の父のせいで、ずっと不幸な道を歩んできた心が、ようやく妻・由紀(上野樹里)の妊娠で普通の家庭を築けると思っていたのに、また不幸な出来事が。
そのおかげで吹っ切れた心は、父が殺人犯じゃないと信じていた由紀の言葉を信じ、父と向き合うことを決める。
その一歩として、父が無差別殺人犯となった現場・音臼村に訪れてみると、不思議なことに事件が起きる3ヶ月前の平成元年1月にタイムスリップ!
そこでは、無差別殺人の前に起こったと言われる不可思議な事件が起こりはじめ……。
それを心が防ぐことで、父が逮捕された事件の真犯人が見つかりそうだけど?
という展開。
ただ、佐野がやっぱり犯人?それとも真犯人がいる?と揺さぶりをかけるシーンが多くて。
例えば、「未来からタイムスリップしてきました!」なんて心は言えないものだから、地元の医者の次女を救うために、死の原因となった毒薬を奪ってもその理由が言えない。
身元を証明するものも出せない。
そこに冷徹な視線を向ける佐野。
うっかり佐野宅にご厄介になることになった心は、子どもたち(といっても、自分が生まれる前の兄と姉)とお風呂に入っているシーンがあるんだけど、そのすきに佐野は、心のカバンの中を漁るし。
行方不明になった女の子を捜索するシーンで、女の子をおんぶした佐野を見つけた心が追いかけていくけど、なぜか銃声、そして雪に血痕…なんて場面があるし。
そして、ワープロで事件につながる文章を打ち込むシーンが出てくるんだけど、佐野が映ったシーンのあとに入っていたりして。
しかも、佐野がアットホームな一面を見せたあとに、その疑わしい場面があったりするから、もう、「やっぱり犯人?」「いや、違うよな」の繰り返しで、心はジェットコースターな感じ。
その緩急のつけ方が絶妙だったから見入ってしまったよ。
次回から、村人の裏の顔が明らかにされるらしい。
来週も、こんな感じで疑心暗鬼なシーンばかりだったら、もっと歯が痛くなりそう(噛み締め過ぎで)。
ちなみに、時代設定が平成元年ということで、子どもたちが「リゲイン」のCMソングを歌ってた。
心が「なにそれ?」って言ってたのが世代のギャップを感じてショック!